


前回までの振り返り
複利で運用する方法について話す前に、前回までの振り返りをします。
複利の式から「1つの事実」と「3つの重要なこと」が分かりました。
複利の式
$$ A_y = A_0 \times ( 1+r ) ^{y} $$
複利の式の重要なこと
- 1つの事実
若いうちに(yが長くなる)、大きな資本(A0が大きい)を高い利回り(rが大きい)で運用できるとお金持ちになれる。
- 3つの重要なこと
1.最初に投資する元本(A0)が大きいほど、将来資産は大きい
2.利回り(r)が大きいほど、将来資産は大きい
3.年数(y)が長いほど、将来資産は大きい
詳しくは以前の記事で書いたので、読んでない方は読んでみてください。
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参考複利の式を理解しよう!
続きを見る
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参考複利の計算式から見える3つの重要なこと
続きを見る
投資の運用で、「若いうちに(yが長くなる)、大きな資本(A0が大きい)を高い利回り(rが大きい)で運用することが大事」ということは分かりましたが、実際どうやってやるのでしょうか?
実はこれには答えがあります。
複利で運用する方法
複利で運用する方法は、3つあります。
複利で運用する方法
- ビジネス
- 株式投資
- 不動産投資
それぞれどのような仕組みで複利の効果が得られるか解説していきます。
複利の効果を得るしくみ
1.ビジネスで複利の効果を得るしくみ
株式投資や不動産投資にしても、ビジネス(事業)について理解することがまず大事だと思います。
非常に簡単な例ですが、店舗のある事業を考えてみましょう。
ビジネスの例
例:資金10億円で10店舗を立ち上げました。
1店舗1億円の利益が得られる想定です。
この場合の事業資産は以下のように推移します。
※表が大きくなったのでGoogleスプレッドシートのリンクを付けました。
期初資産[億円] | 利益率 | 利益[億円] | 期末資産[億円] | |
1年目 | 10.0 | 10% | 1.0 | 11.0 |
2年目 | 11.0 | 10% | 1.1 | 12.1 |
3年目 | 12.1 | 10% | 1.2 | 13.3 |
4年目 | 13.3 | 10% | 1.3 | 14.6 |
5年目 | 14.6 | 10% | 1.5 | 16.1 |
6年目 | 16.1 | 10% | 1.6 | 17.7 |
7年目 | 17.7 | 10% | 1.8 | 19.5 |
8年目 | 19.5 | 10% | 1.9 | 21.4 |
9年目 | 21.4 | 10% | 2.1 | 23.6 |
10年目 | 23.6 | 10% | 2.4 | 25.9 |
11年目 | 25.9 | 10% | 2.6 | 28.5 |
12年目 | 28.5 | 10% | 2.9 | 31.4 |
13年目 | 31.4 | 10% | 3.1 | 34.5 |
14年目 | 34.5 | 10% | 3.5 | 38.0 |
15年目 | 38.0 | 10% | 3.8 | 41.8 |
16年目 | 41.8 | 10% | 4.2 | 45.9 |
17年目 | 45.9 | 10% | 4.6 | 50.5 |
18年目 | 50.5 | 10% | 5.1 | 55.6 |
19年目 | 55.6 | 10% | 5.6 | 61.2 |
20年目 | 61.2 | 10% | 6.1 | 67.3 |
21年目 | 67.3 | 10% | 6.7 | 74.0 |
22年目 | 74.0 | 10% | 7.4 | 81.4 |
23年目 | 81.4 | 10% | 8.1 | 89.5 |
24年目 | 89.5 | 10% | 9.0 | 98.5 |
25年目 | 98.5 | 10% | 9.8 | 108.3 |
26年目 | 108.3 | 10% | 10.8 | 119.2 |
27年目 | 119.2 | 10% | 11.9 | 131.1 |
28年目 | 131.1 | 10% | 13.1 | 144.2 |
29年目 | 144.2 | 10% | 14.4 | 158.6 |
30年目 | 158.6 | 10% | 15.9 | 174.5 |
事業資産の推移
あくまで継続して「利益が出せる+事業拡大していく」という前提ですが、得た利益をさらに投資していくことで、会社の資産は複利で増えていきます。
お客がいて、「これはいい!」と思われるサービスであれば、店舗や販売数を増やすことで利益が増えていきます。
そして、資産も拡大していくという仕組みです。
ポイントは
- 利益が出るビジネス構造であること
- 利益を再投資して、ビジネスを拡大している
ということだと思います。
自分でやるにしても、ビジネスに参画するにしても、この2点が「ビジネスで複利の効果を得るしくみ」となります。
まぁ、現実そんなうまくいくことはない?
いや、あなたが知らないだけかもしれませんよ。
2.株式投資で複利の効果を得るしくみ
ビジネスを自分で立ち上げるなんて、なかなかできることではないかもしれません。
そこで、ビジネスに投資をして利益を得るのが「株式投資」です。
株式投資は、投資した分のビジネスの所有権が得られると考えるといいでしょう。
先ほどの例で10億円でビジネスを始めた場合、1000万株発行して資金を募ったとしましょう。
1株あたりの資産は100円になります。
すると30年後はどうでしょう?
株式投資の例
1株価あたりの資産[円] | 利益率 | 1株利益[円] | 1株価あたりの期末資産[円] | |
1年目 | 100 | 10% | 10 | 110 |
・・・ | ||||
30年目 | 1586 | 10% | 159 | 1745 |
30年後は1,586円になりました。
1株価あたりの資産が、「株価」というわけではありませんが、確実に1株の価値は上がっています。
このように、株式投資もビジネスをと同じように複利の効果を得るしくみがあります。
「自分でビジネスを始めるのが難しい」という方は、株式投資がお手軽な「複利の効果を得るしくみ」だと思います。
株を選ぶ時のポイント、ビジネスと同様で以下になります。
- 利益が出るビジネス構造であること
- 利益を再投資して、ビジネスを拡大している
複利の効果を得る株式投資の条件は、上になりますが、実際にはいろいろな企業があります。
利益を株主を還元する(配当を多く出す)企業もあります。
また、株価は日々変動するので、変動で利益を得る投資のスタイルもあります。
「複利の効果を得る」株式投資の方法で言えば、「利益を再投資している企業に投資をする」というのがポイントになります。
3.不動産投資で複利の効果を得るしくみ
不動産投資も、ビジネスや株式投資同様に、複利の効果を得る仕組みがあります。
例として、2080万円でワンルームマンションを投資用に購入した場合で考えます。
8年おきに増えた自己資金で、ワンルームマンションを追加購入したとします。
少しややこしいので、Googleスプレッドシートで計算した結果を使って解説します。
不動産投資の例
上では、「自己資金80万で2080万円の物件を購入した場合」をモデルに計算しました。
完全に複利の式に一致するとまではいきませんが、家賃収入で物件を追加していけば、複利の効果を得ることができます。
(グラフが、おおよそ指数関数的に上がっていくことから、複利の効果に近いと言えます。)
これも、物件が1件から、2件、4件、8件と増えていくためです。
正確には、物件の自体の価値が残りますので、もう少し資産価値はあると考えてもいいです。
あくまで収入ベースで考えてみました。
不動産投資は、家賃収入という比較的安定した収入が見込めるというのが魅力です。
利回りの計算が、ややこしいですが例の場合で9.78%と計算できます。
不動産投資の例
期初資産額 | 年収入 | 期末資産額 | |
1年目 | 80万円 | 12万円 | 92万円 |
2年目 | 92万円 | 12万円 | 104万円 |
・・・ | |||
30年目 | 1316万円 | 96万円 | 1412万円 |
期初の資産額から、利回りを計算すると9.78%です。
不動産は、自己資金だけで投資するのは大変なので、投資用ローンを使うのが一般的です。
ここでは、ラフな計算で見積もりましたが、不動産投資にはいろいろな費用が掛かります。
空室になったら・・・など考慮していませんが、理想的には不動産も複利の効果が得られる投資先になります。
投資先はどれがいい?
- ビジネス
- 株式投資
- 不動産投資
複利の効果がいかせる投資先は3つありますが、どれがいいかに答えはありません。
その人の好みや性格に関わりますし、特にビジネスは行動力・交渉・人の協力が必要になります。
本当に大きく資産を増やしたいとなると、ビジネス(事業)が一番チャンスがあるのではないでしょうか?
上手くいけば、数十~数百億の資産が手に入るのは、やはりビジネスです。
株式投資や不動産では、30代でもよくて数十億というとこでしょうか?
億を超えればすごいと言われるので、なかなか起業は・・・という人は株式投資や不動産投資がいいと考えます。
本当に自己資金が無い人は、少額で始められる株式投資がいいと個人的には思います。
まとめ
最後にまとめです。
今回は、複利で運用する方法について解説しました。
複利で運用する方法
複利の効果が得られる投資先は3つあります。
- ビジネス(事業)
- 株式投資
- 不動産投資
得た利益を再投資することで、複利の効果が得られる。
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